2010.07.08

また、青列車で

既に数少ない記事の中で紹介した青列車、ル・トラン・ブルー。
喫茶店が併設されているのだが、この喫茶店は、正確に言えば、青列車ではなく、ビッグベンバーである。
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レストラン名の斜め左下の赤いネオンサインに、そう書かれている。

トラン・ブルーとビッグベンバーの境はないに等しく、カフェ部分には、チュニジアとか、アルジェリアとか、異国、地中海を連想させるサル(部屋)が並んでいる。

今回、どの部屋も満席であったので、通路の席になった。
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ポワロが青列車の秘密を解き明かしつつ、パイプを咥えているなんて画が想像つきそうなシートだ。

左の席では、出来そうな?サラリーマン風男がパソコンの何かを打ち込んでおり、向かいの席は、太った夫婦の野太い笑い声が聞こえる。
旅にはルイヴィトンの鞄が定番であるが、いかにも似合いそうな雰囲気だ。

この鉄道ファン、旅行ファン、推理小説ファン垂涎のカフェは、旅の計画を考えるのにバッチリの空間である。
シャンゼリゼのベラボウな金額のカフェに比べれば、そうではないが、それでも、他に比べたら良いお値段だ。
それでも、500円少々でこの雰囲気でお茶が出来たら、満足度も高かろう。
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カフェに行ったら、トイレへ行こう。
駅の音を聞きながら、駅の景色を見ながらの鉄道ファンには堪らぬクラシカルなトイレではある。
映画、歴史、小説・・・フランスで一番ロマンチックな歴史的カフェは駅にある。
2010.07.01

中世という名の

シスレー終焉の地、モレを訪れた時だ。
今にも降り出しそうな雨は、いつまでたっても降ることなく、そう大きくもない、街をぶらぶら散策していたのである。
最後の最後に、シスレーの描いた教会に入った。
真っ青なシスレーの青い空に黄土色の教会の絵葉書を昔からもっていたのだが、その教会である。
黄土色は夕日が当たっていたのかも知れぬ。
今日の空はグレーで、教会もグレーであった。

派手さの全くない教会を出ると、まさかの大雨。
もう、後は、そろそろオープンしたであろう観光局へ寄って、帰ろうかというときである。

すぐ近くのカフェに入った。
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お店は朝早くであるから、観光客がいる時間でもなく、閑散としていたのだが、雨宿りの地元の人で一気に混んでくる。
むろん、フランス人のことだ、静かに音楽を聴きながら、フランスのカフェの気分に酔いしれ、優雅にカフェをいただく・・・なんてことはない。そういうものは、お上品な、スノッブでナルシストの集まりそうなサロン・ド・テのことだ。

人の声、エスプレッソのカスを捨てる音、食器の重なる音、椅子を引く音、走り回る子供の足音と声、のっそり行き交う犬・・・。そうした生活音がフランスのカフェなのである。

日本には、お上品な音楽を聴きつつ、お静かにおコーヒーを頂くおしゃれなカフェなるものもあるが、あれは、”日本の”カフェだ。カフェよりも、喫茶店の方が、フランスのカフェに近いかも知れぬ。

欧州文化は合理でもある。
重ねても、少々手荒に扱っても、欠けることも無ければ、割れることもない分厚いコーヒーカップが主流だ。
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ここはILLYのマークが入っている。LAVAZZAも多い。どちらも、ふふふ、イタリアだ。
ZANETTIもある。
このカップの分厚さが、身近な庶民のものである証かもしれぬ。


さて、今日の天気は通り雨、一日中降り続く雨は意外と珍しい。
雨宿りすれば、いずれ雨はやむ。
その間、心地よい喧騒の中で、ガイド本を読んでおく。

ココのカフェの名はLE MEDIEVAL(ル・メディエヴァル)
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この名は観光地には意外と多い。カフェであれ、レストランであれ。
中世という意味だ。
観光地は歴史的場所であることが多い。世界遺産ならなおさらだ。

さて、雨が小降りになる。観光局へ向うとしよう!
2010.06.24

CUBAN CAFE

エルメス賞に訪れたときに寄るカフェである。
この日は、日曜日であるが、どのカフェも皆やっている。
午前中からやっているところもあれば、午後になって開く店もある。
ココは後者だろう。
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エルメス賞が終わると、競馬場を突っ切って駐車場から街へ出る。
駅から列車に乗って、帰る前に、一杯ひっかける場所だ。
レースの結果をあーでもない、こーでもない・・・。今年のイベントはどうだった、あの帽子はすごかった・・・・・。大抵は、外れたレースの回顧と、勝馬の賞賛に話はつきる。

飲む酒も決まっている。
DESPERADOS。
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高いから、わざわざカフェで飲むことは、まずない。
この日だけは、CUBAN CAFEでDESPERADOSなのだ。
レシートもCERVEZAS。スペイン語だ。むろん、DESPERADOSだからではなく、CUBAN CAFEだからである。
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DESPERADOSはテキイラ入りのフランスのビール。夏、こいつの冷えたのを飲めば、さわやか言うことなしである。

通常、スーパーで買って、家で冷やして飲む。
外で飲むのは、この日がお祭りだからだ。
”フランス”のエルメス賞であるが、祭りの日の明るい夕方には、サルサなノリが最も合う。
2010.03.05

カフェもお昼はお茶できぬ

カフェのコーヒー1杯の相場は2ユーロ程度であるが、もちろん、職場のキャンティーンのような場所と、シャンゼリゼでは全く別の金額である。
サルトルが、朝から晩まで1杯のコーヒーで粘ったとかなんとか、話もあるが、サルトルほどの有名人であればともかく、そうでもなければ、お店に長居して貢献することは死後もあるまい。
といっても、長居したからといって、胡散臭い目で見られるわけでもない。

が、ランチタイムはチト違う
本当に、お茶オンリーのカフェであればともかく、大抵、店内席はランチ用である。
昼休みたっぷり2時間のフランスでは、午後3時近くまで、お茶の人は外で!ということになるカフェも多いのである。



さて、話は地球温暖化である。
ニュースにもなっていたが、冬のカフェの名物の外の暖房機が温暖化原因の一つに挙げられいているらしい。
あのタバコ友好国フランスですら、最近は禁煙の嵐とタバコ増税の渦に巻かれている。
ワールドカップで優勝した辺りから、この流れは顕著で、今や、禁煙大国と言えぬこともない。


そのとばっちりはカフェにもくる。


とある、フランス人が言う。
タバコのすえぬカフェはもはやカフェではない

この禁煙ブームのなか、何年か前には、ジム・ジャームッシュのコーヒーアンドシガレッツなんかも映画であったわけだが、カフェとタバコはまあ、一体である。
わしも、その一員であった、数年前までは。


そこへもってきて、今度はエコだ。
おいおい、カフェをどこまでいじめるんじゃい!とでもいうのか?
外でしか吸えぬタバコに暖房器具撤退となれば、東京よりは少なくとも寒いパリで、カフェの存在意義が相当薄れてしまったなどと思う人もいるかも知れぬ。


フランス人は寒い冬でも、寒さをものともせず、外でお茶をする。
なんて話も聞くが、そんなことはない。
前出暖房が存在しているか、そうでなければ、太陽が当たっているかは最低限必要だ。当たり前だが、フランス人だって寒いのが好きなわけではない。ご存知、太陽大好き民族なのである。

コーヒーショップ、喫茶店と比べ、カフェという単語は短い
短いということは、それだけ、重要単語なのだ。
生活に密着しているものである。

景気が悪化すれば、カフェで昼間もお茶が出来るようになるかも知れぬ。
ランチを食わず、パン屋に並ぶ人が増えるからだ。
陽気で暖かくなると、お昼には、公園のベンチの席がなくなることになるだろう。

2008.06.17

レ・ブルー悲喜こもごも

foot


フランスのカフェは、ただいまサッカー放送中であることが売りである。

メトロの入り口で、始まる直前には特集記事を無料で配っていた。
大変大きなイベントなのだ。

もちろん、見れるカフェが大賑わい。
パリだから、当然、各国の人もいる。
自分たちの国の試合で盛り上がる。

フランスにまったく関係ない試合でも、カフェの中から歓声があがることはまれではない。
カフェでスポーツを・・・はフランス全土どこでも当たり前の風景である。



さて、先日、フランス代表は完膚なきまでに負けた。
この10年では初めてだろう。

もっとも、オランダのしているサッカーは、日本が目指しているようなサッカーで、それをあの大男たちがしているのだから、ちょっと異次元だ。
日本代表を応援するものとしては衝撃である。
差は微妙でも、根本的なところに差があると、大きな差になる。

ジダンがいたら・・・。なんらか事態を解決してくれたろう。
が、いないものはいない。もう望んではならない。
しかし、いないのに、ジダンの代わりに誰かを入れるといったあまりに面白みのないメンバー構成である。

本当に必要なのは、ジネディーヌ・ジダンではなく、エメ・ジャッケなのかもしれない。



さて、もてはやされた二人、ベンゼマとナスリの競演を見ていない。
日本では、リベリーのほうがわいわい言われているが、リベリーはもうとっくにレ・ブルーの一員である。

個人的には、勝っても決勝へいけないかもしれないのだから、アンリ、ナスリ、ベンゼマ、リベリー、マルーダの競演を見てみたい。

アンリは出てきたときからそうだが、スピードスターである。あの彗星のごとくジダンとその陰に隠れるがごとく現れた12番は、快速選手であった。
リベリーもそうだ。トリッキーではあるが、ポジションこそ違え、バイエルン、リザラズを思い出す。
ストライカーがリヨンのベンゼマでもいいではないか。
練習試合のコロンビア戦では、ベンゼマとアンリが入っていた。
点は取れないが、ベンゼマは面白いストライカーである。


マルセイユというチームは、日本で言えば、阪神タイガースが最も近い雰囲気だ。
浦和レッズとは、また違う。阪神タイガースにちかい。
マルセイユのナスリとリヨンのベンゼマという、ジダンの時代とまったくかぶらない二人の競演を見てみたいのは、私だけだろうか?

オランダのサッカーはすばらしい。しかも強い。
が、フランスはあのサッカーをしまい。シャンパンサッカーであるのなら、アンリもリベリーもシャンパングラスの脇をすべる指でしかない。泡となるスターの誕生を、勝利とともにどこかで誰もが、選手たちすら、出現するのを待ち焦がれているのだ。

本日の因縁のイタリア戦。楽しいスターティングメンバーであってほしい。
まったくダメならダメでいいわけですよ。
美しくなくていい、早くなくていい、封じ込めなくていい、フランスのサッカーのファンは、楽しいいろんな役者のいるサッカーを見たい。
2008.02.27

青列車の秘密

トランブルー

日本のブルートレインが廃止になってゆくらしい。
時代遅れであるのだそうだが、ノスタルジックに時代遅れは当然存在しない。

以前、鉄道ファンのバイブルであった種村直樹氏の鉄道旅行術に書いてあったかどうか?
アガサクリスティの小説にも出てくる青列車、ブルートレインの原型トラン・ブルーはフランスのパリからニースを結ぶ列車である。

パリのリヨン駅から出発する。

そのリヨン駅メインのホーム達の正面、見下ろすような位置に、トランブルーという、有名レストランがある。中には天井画も書かれている。
ここは、高い。

が、奥に、カフェテラスがあるのだ。
ここなら、貧乏な我々も、市価より高いながらコーヒーなんぞを楽しむこともできる。

パリの街中のカフェとは違う。

今にも、ポアロ警部でも出てきそうな雰囲気だ。

こんなところでお茶をして、リヨン駅から、流行のTGVではなく、青列車、または、コライユなんぞで出かけるのも、なんとおつなことだろうか。

鉄道ファンにも、推理小説ファンにも、好かれる、四桁の数字の似合うカフェだ。
たとえば、22:43発ニース行き夜行列車トランブルー11番線に入線・・・のようにだ。

フランスで最も旅の似合うカフェであることは疑いもない。
2008.01.09

フランスのカフェの名前

モンマルトル3

オ・ランデヴー・ドゥ・モンマルトル
カフェの名前である。
場所は、モンマルトルのとある一角。

フランスのカフェの名前には、よくあるパターンがある。
カフェの向かいや近所の公共施設などの建物(駅、郵便局、教会)。
教会の名前がついたサン・何とかや、カフェ・ドゥ・ラ・ガールやカフェ・ドゥ・ラ・ポストはフランスのどこへ行っても見つけられる。

その他は通りや広場の名前、または、そのカルチェの名前。これも頻繁に見つけることができる。

また、フロールやブーケなど、花に関する名前も多い。

それ以外でよく見かけるパターンの一つがこの、オ・ランデヴー・ドゥ・~という名前である。

カフェが待ち合わせなどに良く使われることから、このような名前が多いのだろう。

日本では、ランデヴーという言葉自体、死語のようになっているが、もともと、ランデヴーは、人との待ち合わせに使われるフランス語。当然、現在でも頻繁に使われる単語である。
”あいびき”のような、特殊な待ち合わせイメージではなく、いわゆる一般名詞である。

”トラック運転手の待ち合わせ場所”なんて名前のカフェも実際パリには存在するのである。