FC2ブログ
2010.02.19

フランス人とケチ

とあるアパートをフランス人に借りたときの話だ。

その彼は日本通で、それゆえ、日本人に宿を貸しているようである。

暇乞いをして、でかいスーツケースを持ち、宿を出るときの話だ。


その彼は言う。 「シャルル・ドゴール・空港へ行くの?
私は言う。 「いや、モンパルナス駅へ
彼 「タクシー?
私 「いや、メトロ。
彼 「パリジャンみたいだね。


この、「パリジャンみたいだね。」というのは、もう、パリに慣れたパリの人みたいだねという意味ではない。
そんな一種のお褒めの言葉ではない。
もっとも、パリジャンのようであるということ自体がお褒めの言葉であるという発想自体、日本人的考えかも知れぬ。
無駄金は使わぬのだね、という程度の意味だ。

おそらく、多くの日本の方が、そこから空港へタクシーで旅立って言ったに違いない。
そんなところから、彼が「タクシー?」と聞いたのだろう。

むろん、そこそこ働いて、お金のある人で、しかも女性のグループなどであれば、重たい荷物をゴロゴロと転がしたくもないし、男性がいても、女性に気を遣って、タクシーを呼んであげるのだろう。
日本人なら、まあ、別段なんてことはない話だ。

在仏中も、多くの日本人帰国者を送ったが、女性陣はとくに、友人に送ってもらえるのでなければ、たいてい、飛行機に積み込めるのか?と思えるほどの重いスーツケースと共に、タクシーで去ってゆく。

都内から、成田空港へ行くほどの距離ではないから、まあ、日本的にはありえぬことではない。



が、これがパリの人となるとだいぶ違う。
メトロでいけるのなら、メトロなのだ。
なぜ?って、そりゃ安いからだ。時間も測りやすい。

もっとも、わしの知り合わなかった、お金持ちや、セレブのフランス人は違うだろう。



少なくとも、車でバカンスに出かけるとか、車で空港まで送ってもらえるのでなければ、電車かバスだ。
レストランでも、盛りだくさんになってしまう観光客の横で、一番安いクレープを飲み物水だけで食べるし、食後のコーヒーも頼まないなんてこともザラである。
むろん、飲まぬのではないだろう。もっと安いところで・・・である。
わざわざここでなくとも、なのだろう。




普段から、ええ格好で闊歩することもないし、ラフな普段着のパリジャンばかりだ。

新しいOSが発表されたからといって、それに飛びつく人も少ないし、動いているのなら、WIN95でも充分なのである。
WIN98が出たときに、新しいものに買い換えることを憤慨しているフランス人が知り合いにいたが、VISTAの時には多くの日本人もそう思ったろう。
新しい、古いということよりも、充分か不十分か?ここが重要な判断ポイントであろう。
彼らが、歴史や古いもの好きというのとは、また違う感性の部分だ。




ケチというより、無駄合理充分足りる必要、そんなキーワードが、彼らの行動を決めているように、観察すると思えるのだ。


ケチというのなら、わしも相当なケチの日本人である。破れた靴下の使い方をここに載せるようなわしにとって、このフランス人のケチは小気味よい。
在仏日本人にフランス人の悪口を聞けば、大抵、このケチという言葉は入ってくる。

ケチは即ち節約で、エコなのだ。
目的のための金と、体裁のための金は自ずと違う種類に属するものである。
そんな、恥の文化とは違う文化に接することも、また異文化コミュニケーションである。
むろん、欧州美化の必要はまったくない。違いを感じるだけでいいのだ。
スポンサーサイト




この記事へのトラックバックURL
http://rvabeille.blog80.fc2.com/tb.php/701-bf02d632
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する