
フランスのカフェは、ただいまサッカー放送中であることが売りである。
メトロの入り口で、始まる直前には特集記事を無料で配っていた。
大変大きなイベントなのだ。
もちろん、見れるカフェが大賑わい。
パリだから、当然、各国の人もいる。
自分たちの国の試合で盛り上がる。
フランスにまったく関係ない試合でも、カフェの中から歓声があがることはまれではない。
カフェでスポーツを・・・はフランス全土どこでも当たり前の風景である。
さて、先日、フランス代表は完膚なきまでに負けた。
この10年では初めてだろう。
もっとも、オランダのしているサッカーは、日本が目指しているようなサッカーで、それをあの大男たちがしているのだから、ちょっと異次元だ。
日本代表を応援するものとしては衝撃である。
差は微妙でも、根本的なところに差があると、大きな差になる。
ジダンがいたら・・・。なんらか事態を解決してくれたろう。
が、いないものはいない。もう望んではならない。
しかし、いないのに、ジダンの代わりに誰かを入れるといったあまりに面白みのないメンバー構成である。
本当に必要なのは、ジネディーヌ・ジダンではなく、エメ・ジャッケなのかもしれない。
さて、もてはやされた二人、ベンゼマとナスリの競演を見ていない。
日本では、リベリーのほうがわいわい言われているが、リベリーはもうとっくにレ・ブルーの一員である。
個人的には、勝っても決勝へいけないかもしれないのだから、アンリ、ナスリ、ベンゼマ、リベリー、マルーダの競演を見てみたい。
アンリは出てきたときからそうだが、スピードスターである。あの彗星のごとくジダンとその陰に隠れるがごとく現れた12番は、快速選手であった。
リベリーもそうだ。トリッキーではあるが、ポジションこそ違え、バイエルン、リザラズを思い出す。
ストライカーがリヨンのベンゼマでもいいではないか。
練習試合のコロンビア戦では、ベンゼマとアンリが入っていた。
点は取れないが、ベンゼマは面白いストライカーである。
マルセイユというチームは、日本で言えば、阪神タイガースが最も近い雰囲気だ。
浦和レッズとは、また違う。阪神タイガースにちかい。
マルセイユのナスリとリヨンのベンゼマという、ジダンの時代とまったくかぶらない二人の競演を見てみたいのは、私だけだろうか?
オランダのサッカーはすばらしい。しかも強い。
が、フランスはあのサッカーをしまい。シャンパンサッカーであるのなら、アンリもリベリーもシャンパングラスの脇をすべる指でしかない。泡となるスターの誕生を、勝利とともにどこかで誰もが、選手たちすら、出現するのを待ち焦がれているのだ。
本日の因縁のイタリア戦。楽しいスターティングメンバーであってほしい。
まったくダメならダメでいいわけですよ。
美しくなくていい、早くなくていい、封じ込めなくていい、フランスのサッカーのファンは、楽しいいろんな役者のいるサッカーを見たい。

日本のブルートレインが廃止になってゆくらしい。
時代遅れであるのだそうだが、ノスタルジックに時代遅れは当然存在しない。
以前、鉄道ファンのバイブルであった種村直樹氏の鉄道旅行術に書いてあったかどうか?
アガサクリスティの小説にも出てくる青列車、ブルートレインの原型トラン・ブルーはフランスのパリからニースを結ぶ列車である。
パリのリヨン駅から出発する。
そのリヨン駅メインのホーム達の正面、見下ろすような位置に、トランブルーという、有名レストランがある。中には天井画も書かれている。
ここは、高い。
が、奥に、カフェテラスがあるのだ。
ここなら、貧乏な我々も、市価より高いながらコーヒーなんぞを楽しむこともできる。
パリの街中のカフェとは違う。
今にも、ポアロ警部でも出てきそうな雰囲気だ。
こんなところでお茶をして、リヨン駅から、流行のTGVではなく、青列車、または、コライユなんぞで出かけるのも、なんとおつなことだろうか。
鉄道ファンにも、推理小説ファンにも、好かれる、四桁の数字の似合うカフェだ。
たとえば、22:43発ニース行き夜行列車トランブルー11番線に入線・・・のようにだ。
フランスで最も旅の似合うカフェであることは疑いもない。

オ・ランデヴー・ドゥ・モンマルトル
カフェの名前である。
場所は、モンマルトルのとある一角。
フランスのカフェの名前には、よくあるパターンがある。
カフェの向かいや近所の公共施設などの建物(駅、郵便局、教会)。
教会の名前がついたサン・何とかや、カフェ・ドゥ・ラ・ガールやカフェ・ドゥ・ラ・ポストはフランスのどこへ行っても見つけられる。
その他は通りや広場の名前、または、そのカルチェの名前。これも頻繁に見つけることができる。
また、フロールやブーケなど、花に関する名前も多い。
それ以外でよく見かけるパターンの一つがこの、オ・ランデヴー・ドゥ・〜という名前である。
カフェが待ち合わせなどに良く使われることから、このような名前が多いのだろう。
日本では、ランデヴーという言葉自体、死語のようになっているが、もともと、ランデヴーは、人との待ち合わせに使われるフランス語。当然、現在でも頻繁に使われる単語である。
”あいびき”のような、特殊な待ち合わせイメージではなく、いわゆる一般名詞である。
”トラック運転手の待ち合わせ場所”なんて名前のカフェも実際パリには存在するのである。